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映画240作の歴代大脚本家の八住利雄の知られざる扉を取り払う

 

 

今回は「映画240作の歴代大脚本家の八住利雄の知られざる扉を取り払う」と題して公開しました。ほんとうは映画240作の歴代大脚本家の八住利雄の知られざる扉を取り払うではなく”、取り払う”の部分を”ぶち壊す”なんていう激しいタイトルでもいいと考えましたが、今回は避けてやわらかくイキました。

 

 

今回は姉妹ブログのチワワドラのテレビドラマ愛好世界 テレビドラマ界のシークレット厳守 東宝と東映の公武合体の証拠を紐解くからの関連記事です。

 

 

 


八住利雄は映画脚本数通産240強の大脚本家

 

 

多彩な脚本家は彼が草分けの一人といえるかもしれません。八住利雄は多方面のジャンルで活躍しました。

 


八住利雄=映画脚本数通産240強、東宝の1930年代の初期から戦後の最大の黄金期にかけて活躍、戦後は笠原良三とともに東宝の2大脚本家として知られる。代表作数では笠原良三に劣るが文芸、娯楽、現代劇、時代劇、時代物、喜劇、スター映画など幅広く活躍、歴代脚本家の中でも上位に入る簡単に実積が取り上げられない一人であり、それだけ活躍したことを物語っています。

 

 

 

 

のちのテレビや映像作品、同時に映画界への文芸映画路線の成功と貢献

 

 

評論家には特に文芸映画路線で高く評価され、谷崎潤一郎原作の「細雪」を2作、川端康成原作の『雪国(1957)』、大江賢次の原作の「絶唱」1作の脚本と2作の構成、3作に関与、森本薫原作の『女の一生』は2作、織田作之助原作の『夫婦善哉』と『新・夫婦善哉』など多く文芸映画の名作や秀作に貢献、

 

雪国 [DVD]

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芸映画で定評がある名匠・豊田四郎八住利雄は数本のコンビを形成しました。この『雪国(1957)』(黄金期の1950年代の東宝を支えた現代劇専門の映画スター池部良、松竹の若手スター女優だった岸恵子がこの東宝映画にレンタル出演)も代表作の一つに含まれる可能性があります。

 

 

スター映画では関与順、榎本健一の『エノケンの金太売り出す』、『エノケン天一坊』、「トンチンカンシリーズ」(榎本健一以外の主演もあり)。『伊那の勘太郎』、「小判鮫」の前後、総集編の3作などで長谷川一夫、「千恵蔵の遠山の金さんシリーズ」の1作目『いれずみ判官 桜花乱舞の巻』などの2作、最初の映像化版の「お坊主天狗」の2作などで片岡千恵蔵柳家金語楼の「向う三軒両隣シリーズ」、喜劇俳優の伴淳三郎などの『アジャパー天国』など、さらに女性もの映画で大成した中村登監督の『修禅寺物語』は記録的大ヒットを記録、オールスター映画も戦後上位の15作ほど(F)手掛けました。

 

 

(F)八住利雄のオールスター映画も戦後上位の15作ほど=オールスター映画も戦後最多脚本数は片岡千恵蔵(歴代上位の主演俳優)や松田定次(歴代上位の娯楽映画監督)らと黄金トリオを形成し、数十のヒット作で知られる東映ナンバーワン脚本家といわれた比佐芳武の20作強であり、八住利雄東宝ではオールスター映画も戦後最多脚本数が歴代最多です。

 

このオールスターが多いということはどういうことが凄いのか、評価なのかというと、オールスター映画は巨額の費用で作られており、それだけ認められた存在だから脚本を負かされていたことを意味しています。

 

 

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DVD商品化もまだ遠し、知られざる大ヒット作『修禅寺物語』に八住利雄

 

 

修禅寺物語 [VHS]

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巨匠・中村登の最大のヒット作にして、唯一の時代劇映画の代表作であり、時代物の時代劇映画『修禅寺物語』(1955年公開)、松竹の戦後を代表する男性映画スターの一人の高橋貞二や実力派女優として活躍した淡島千景にとっても主演の最大のヒット作(観客動員に関して)となりました。八住利雄の代表作の紛れのない一つといえるでしょう。

 

修禅寺物語』は残念ながらVHSのみであり、DVDの商品化されていないようです。松竹もこうした作品の商品化が遅れていることが明らかになりました。

 

 


八住利雄といえば映画化された「絶唱」の題材

 

 

 

八住利雄といえば映画化された「絶唱」の題材でも知られています。以下のように3度の映画の映像化に脚本と構成で参加しています。

 


<映画版の「絶唱」と八住利雄> ・は八住の担当
1958 絶唱  製作・配給=日活 ・ 脚本  浅丘ルリ子 小林旭
1966 絶唱  製作・配給=日活  ・構成  舟木一夫 和泉雅子
1975 絶唱  製作=ホリ企画制作 配給=東宝  ・構成   山口百恵 三浦友和

この3作の中では舟木一夫版『絶唱(1966)』がもっとも有名といえるかもしれません。青春スターとして評価された舟木一夫の青春映画として原作を昇華しました。

 

 

絶唱 [DVD]

監督は今でいうとアイドル映画の名手と考えられる西河克己、当時はアイドル映画という概念では言われていませんでしたが、今的にはアイドル映画ともいえる映画群を多く残していました。

 

日活の若手スターの一人だった和田浩治と『素っ飛び小僧』(1960)から始まる通称・”小僧もの”3作など1959~1961年の間に9作のコンビ、その後・・・

 

1960年にはアイドルといってもいいかわかりませんが、一時的に要素はあったのは間違いない部分ですが、吉永小百合を『青い山脈(1963)』や『伊豆の踊子(1963)』などの8作、舟木一夫(全般は歌手、1960年代に映画でも活躍、特に当時はアイドル要素あり)の主演作6作、1970年代には山口百恵の主演映画を6作ともっとも多く監督したことでも知られています。西河克己もまた機会があれば取り上げます。彼は10年ほど前にNHKのBSのインタビューで顔を見かけました。

 

 

最後に戻りますが、八住利雄はこの「絶唱」の題材映画を通じてもいくつかの影響がありました。